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失われていくもの

Posted by Cafe Bleu on   0 

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母は美容師でした。

私は1964年12月生まれ。
ですから、私がこの時期に生まれてしまい
母は散々いじめられたようです。

繁忙期のこの時期に「出産」なんて、とんでもない!

という時代でした…


そのせいか、
私が物心つく頃には母からその話を散々され
自分の誕生が嫌なものに感じたこともありました。

けど、現在このような傍若無人な生活を
送れているのは、そんな母のお陰だったの
かもしれません。


美容室の息子として生まれた私にとって
「美容室」は当たり前でした。

店が忙しく遊び相手がいないときは、
ひとり 店の片隅でカーラーやロッドを繋ぎ合わせて
橋を作ったり 高い塔を作ったりして遊んでいて、
よく怒られました。

髪の毛を切るハサミで新聞を切り刻んで
往復ビンタも食らいました(笑)

今ではわかる事ですが、
髪の毛を切るハサミでペーパーを切ると、
切れ味が著しく低下するのですよ。

それは怒られますよね。
商売道具ですからー!(笑)


その頃からずっと見てきた「美容室」。
観察し続けて 早50年…

最近は美容室のあり方も変わりました。

なにげない事なのですが、
今回は、自分が感じたことを
包み隠さず書きたいと思います。


あくまでも個人の感想なので、
見方が変わればまた違うかもしれません。
その辺は、ご了承ください。




私がずっと見ていた 昔の美容室は

おめかし をしてくる場所でした。


礼儀や装いなど、色々な暗黙の了解が
あったように思います。
それが女性としての普通の「たしなみ」だったのでしょうか?

でも最近は、「普段着」で美容室に
いらっしゃる方が多くなりました。

これはここ10年~15年でずいぶん変わったこと
のように思います。


15年前に東京で働いていた時に
なにげなくお客様から言われた言葉…

「ゴメンね!今日は忙しくて汚い格好で来てしまって…」
という、なにげない一言でした。

「ゴミ出しするのに、
ジーパンにシャツ着てきただけだから…」

「いえいえ、おキレイだと思いますよ?」
と、答えた記憶がありますが、

それは本当に本音から出たことで、
その方はじゅうぶん小綺麗に見えました。

休日にシャツを着る。
それも、シンプルな白いシャツ。

でも、ご本人はそれを場にそぐわない
思っている・・・

その感性に、私は救われたように思いました。


「 美容室は日常と正装の間 」

と、考えて頂けていた 最後の会話
だったように思います。

それ以後の美容室は、
「カジュアル」の場所になりました。


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一般の方が気づいてないことかもしれませんが、
美容師さんが感じてる事を書きます。

それは、「髪の毛の汚れ」の問題です。

日常ですから、髪の毛は汚れていて来店しても当然の事です。
2~3日洗わないまま来店しても当然です。

それをキレイにするのが、私たちの仕事ですから。

けど…
昔は違いました。

私が美容師を始めた30年前は、
美容室に来る前に頭を洗ってくるのが
礼儀のようになっていました。

それがたしなみ?
女性としての気品なのかな?
なんとも言えない、いい香りがしたものでした。

「女」を感じる一瞬です。
それが女性だと思っていました。

けど今は、
頭の脂のニオイの方が勝っています!(笑)

香水から何から、全てがミックスされた
なんとも言えない悲しいニオイになっています…

時々ですが、
今日のお昼ご飯は○○?ってのもあります(笑)

それに、なんとも言葉が悪いのですが
「獣臭」がする時もあります。

少々引きますが、
それをきれいにするのが仕事ですから
私は、それがダメだとは言えません。

この状況を作った「ある理由」が
あることを知っているから・・・

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現在、美容室は飽和状態です。

有名店が存在しない暗黒の時代に突入しました。
以前書いた「美容室戦国時代」に
まさしく突入したように思います。

気にしないお客様を作ったのは、、
その最大の原因は、、

「 美容師 」です。

要は、自分の首を自分で締めたのです。
何も気づかぬまま、強く締め続けたのです…

日常と非日常の境を保ったまま
「夢」を作り続けてきた仕事だったのに、

「お金が欲しい!」
儲け主義に走ったがために

美容室を「より日常化」させた事で
美意識の低下を作り出してしまいました。

「美容室なんてどこも一緒でしょう?」
その感覚を作らせてしまったのも、
美容室側の技術不足。

それに、美容室側の儲け主義からくる
材料削減・コストカットです!

品質の低下は、美意識も低下させます。

そして、新卒の美容師さんを採用しても
「美容師なんてどこも一緒!」の
感性の親御さんに育てられた世代です。
結局、美容師として成長するわけが無いのです。

それは美容師が「プライド」を捨て、
儲け主義に走った時から始まったのです。


美容室には普段着れない服も着て行ける。

少しだけ着飾る事ができる、特別な時間。

お母さんも女よ!とばかりに、
オシャレを楽しむ時間でした。

それも、昔の話ですか?

「非」日常にしてくれる美容室は
どこに行ってしまったのでしょうか?

女性がオシャレしたい気持ちって
変わっていないと思うのですが・・・

そして、その意気込みでいらっしゃっていたお客様は
今、どこで・何を・していらっしゃるのでしょうか?


少しのお洒落を楽しめる「自分と美容室」。

過去の話なのでしょうか?

私は理想主義者ですか?

私が育った環境は
夢の世界じゃなかったと思うのですが…


自分自身を振り返った時、
胸を張って「自分がキレイに年を取った!」
と言い切れる 貴方であると良いですね。


                 December.21.2015 店主

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