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撮影裏話(2) 男がメイクに関わるということ。

Posted by Cafe Bleu on   0 

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No.47 から続きの「番外編」です。


ヘア&メイクの仕事をしていた頃、
社会との間に高い「壁」を感じていました。

そうですね~、
高さ2m50cmくらいで厚みが1m程度の
「境界線」とでも言いますでしょうか・・・(笑)

飛び越そうと思えば出来ない高さではないけれど、
一人の力では
そうとう鍛えないと 越えることが出来そうもない「壁」。

何の話か?というと・・・・




「男がメイクに関わる」


・・・という事実を、
世の中は受け入れてはくれませんでした。

今や、「男」が自身の顔にメイクする・・・と言っても
まあ、無くはないよね・・・くらいな時代になりましたが、

あの当時は社会的に認識されていませんでした。

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そのひとつの例としてお話しましょう・・・

仕事のために、
デパートに行って「化粧品」を見ていたときの事。

(ヘアメイクさん向けのディーラーとか問屋みたいなものが
あるわけではないので、普通に「化粧品売り場」で
買うのですよ。)


私は、色味発色に「こだわり」があったので、
何度も手の甲に塗っては 光の加減や油分の量を見て
選んでいました。

売り場の人も接客してくれたのですが、
始終 不思議そうな目で見ていました。

まあ、そういう気持ちは理解しますが・・・(笑)

そして、「コレがいいかな?」と、
数品選び、会計です!

「あの~・・・ご自宅用でよろしいですか?」

・・・・・

一瞬、何を言われたのか分かりませんでした。

あちら方面の方だと思われたのでしょうね・・・(笑)

あらぁ~ やだぁ~!素敵~!

いやいや、違う!
勘弁してよ・・・俺そんな人じゃないよ。(笑)


「ご自宅用・・・? 」

よく考えてみたら、
プレゼントかどうか聞かれてたのかな?

プレゼントだったら「ケース付き」を買うものですからね。
そのときの私は、「レフィル」だけを買ったので
(ましてや6個)考えてみれば納得・・・

「ハイ、ご自宅用です(笑)」

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ところでヘアーメイクさんって、
基本 パレットを作り、自分で使いやすいように並べるので
「ケース」は不要なのです。
(コレは私に限ってかもしれませんが)

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そして商品は買ったものの、
私はあちら方面の方のままで終了(笑)

あの頃は、
「変わった人」「気持ち悪い人」「もしや、おかま???」

と、思われ、
とにかく良い事はありませんでした(笑)

自分には目指すものや、
仕事に対する責任があったので、
そんなことくらいでめげませんでしたが・・・


よく、「ハートが強いねー」などと言われてましたが、
単に素敵な女性像を作り上げたい一心でした。

対象となるモデルさんの「その人らしい」魅力を
表現するための質感が欲しかっただけなのです。

受けた仕事を納得できる仕上がりに
したかっただけなのです。

そのためなら、
どんなに気味悪がられても
突っ込んで行くしかありませんでした。


・・・それから何度もそんな目に遭い続けましたけどね(笑)


(カミさんには、いっそのこと忍者みたいなメッシュのTシャツでも
着てったら?とか、ソフト帽被って黒いジャケットでも着てけば
それ風の人に見えるんじゃない?とか言われましたが、
そんなの似合わないし、ますます怪しい人になるので、
あくまでも普通で行ってました。

一時期 流行ったカリスマ美容師みたいなビジュアルを持ってたら
こんな苦労はしなくて良かったかもしれませんけどね。
・・・つくづく、私って普通の人にしか見えないんだな、これが。

見た目は普通でも、仕事は普通以上に出来りゃいいじゃないか。
これ、今でも変わってません。)



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もちろん今でも
何も気にせず デパートの化粧品売り場に
ひとりで足を運ぶことが出来ます。

つい最近も、カミさんに色を選んであげました。
ずっと昔から、
カミさんに似合う色を選ぶのは私の仕事です。

(ちなみにカミさんは、怖くてひとりで行けないそうです。
化粧品売り場には、また違った「壁」があるそうです。)


微妙な発色の違いや、質感の違い、
その後の肌のコンディションの違いなど、
メーカーによって全く違うものです。

「なんかこう、マットな赤のシャドウが欲しいんだよねー」

などと言われれば、
カミさんの歳なりの「赤」を選べます。
その色の選定も、メーカーの選定も私の仕事・・・

そこだけは、カミさんも私の言うことを聞きます。
他の事はそう簡単には聞きませんが(笑)


おそらく、ちょっとかじった程度じゃ
そこまでの違いは分からないことでしょう・・・

そんなことが出来るのは、
あの頃、物怖じせず突っ込んで行って研究した
おかげではないかと思います。

悪いけど、下手な女の人より
化粧品を見たり買ったり試したりした回数は多いと思う・・・(笑)


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今は、
高くそびえた 目に見えない「壁」は低くなり
存在しないかのようになりました。

化粧品を自分の顔に使う男がいても さほど珍しくもないし、
「仕事で使うのかな?」って、すぐに思ってもらえるようにも
なりました。

「男」にとっての化粧品売り場は
ずいぶんと敷居が低くなりましたよね。

私のような目に遭う「男」が減ったのは
喜ばしいこととも思いますが、

私は「壁」はあった頃のほうが
良かったんじゃないかと思っています。

たぶん、あの壁を壊したのは私たち世代だと思いますが、
壁の高さは「美への追求」の高さでした。

半端な者には越えられない、
強い信念を持って進む者にしか越えられない「壁」でした。
(ちょっとオーバーかな?)

私にとって、デパートの化粧品売り場は、
毎回、自分の追求度合いを試されているような・・・
そんな場所でした。


「てへへ・・・彼女へのプレゼントです」

な~んて、売り場のカウンターに堂々と座れる若者を見ては、
ずいぶんとなんでも有りな世の中になったもんだ・・・・
と、何か物足りなさを感じている、今日この頃です。


何をするのも簡単になった時代。
そこそこのクオリティーばかり溢れていて
面白いものが少なくなったような・・・



ま~「過去の人」のぼやきなんて
みなさんにはどうでも良い話ですけどね。


                                つづく

                             January.01.2015 店主

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