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No.18 次の試験は ・・・ 

Posted by Cafe Bleu on   0 

こんにちは。店主です。
このコーナーでは、私が美容師になるまでの紆余曲折などを綴っています。

ためになるかどうかは ちょっと謎ですが、興味のある方は
お暇な時にでも読んでみてくださいね。

(そういうのいいや・・・って方は遠慮なくスルーしてください。) 

最初から読みたくなった方は「もくじ」からどうぞ。




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No.17からのつづきです。

シャンプー試験に3週間あまりで合格した私を
次に待ち受けていたのは「パーマの試験」です。

パーマ試験は何種目もあり、
これを終了するまでに「約1年」を費やします。

だからシャンプー試験で半年も掛けてしまうと、
その後すごい「遅れ」を取り、

何もかもが後輩に抜かれかねない現状になります。
(現にそういう状況になり、「依願退職」した人もいました・・・)

すべての技術を習得し、
晴れて「技術者」になるまでに「5年」は
費やすことになります 

・・・それまで給料は「据え置き」です。
(は、はやく先に進まねば・・・(笑))


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パーマ試験の最初の課題。

それは「オールパーパス」と言われる
基本中の基本の巻き方です。

多目的・万能パーマ
・・・360度どの方向にもカールが流れるパーマ。

言うなれば「おばちゃんパーマ」です。(↑写真)


オールパーパスの試験だけでも数段階あり、
まず人形を巻く試験です。
その後、それに薬を付けてテストする試験。

それもクリアすると、実際の人の頭(モデル)を使い、
最終的な「本試験」目指して練習します。

お人形さんのことを「ウィッグ」と言いますが、
その時点で散々落とされます。

巻くことは「学校」でもやってきましたが、

それは あくまでも巻けるだけ であって、

「現実的」ではありません。 

それを理解するまでは、ずっと落とされ続けます・・・

「パーマを巻く」という、基本動作と その意味が理解できなくては
パーマを巻く必要も無いということです。

「パーマを巻く」というより、
「己は何ですか?」と聞かれているような感じです。


頭で考えるより、
「感じ取る」ことの方が最優先のような感じでしたかね?


・・・ま~、頭で理屈をこねるタイプは
みごとにここで「足止め」を食らいます。


凡人と天才の違い もここで出ます。


「天才」とか、「感覚だけで出来る人間」って、実際に居ます。

凡人がいくら努力しても太刀打ちできない
「何か」を持っている人間って本当にいるのです。

この時は、自分がただの「凡人」であることを
つくづく思い知らされました(笑)

ただ、その「凡人」であること」を受け入れ始めると、
その先は早いです。それも実感しました・・・

それには日々努力しかないのです。
積み重ね が凡人の特技です。


数えきれないほど多くの「失敗」を積み重ねることで、
結果を予測できる「データ」が蓄積されます。

それにより
究極の「成功」を導き出すことができるようになるのです。


・・・そこまで出来るようになるには、
そうとうの精神力や忍耐力が必要ですけどね(笑)


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さて、ウィッグ試験の合格までは
意外とすんなり通ってしまった私ですが、

その後の課題に必要な「人の頭(モデルさん)」探し
には、苦労しました。

本試験というのが、
たとえ「天才」とて15人くらいやらないと
受からないレベルの厳しいものだったのです。

「パーマを巻く」と言っても、
もちろん巻いて終わりではありません。

実際に「薬を」使い、カールが均一に出ているか?
(きっちり一回転出ていないとNG。それ以上でもそれ以下でもダメ)

ロットを一本一本外されながらチェックされます。

そのほかにも、毛先が折れてしまっていないか?
カールが同じ向きにキレイに揃って出ているか? 
逆の流れに梳かしてもカールがきちんと並ぶか?

等々、とにかく 「正確」さや「精巧さ」を求められるのです。
 
「天才」が15人なら、
「凡人」の私にはその 3倍 は必要です。


今みたいに、お店側が協力して探してくれるわけもなく、
「自力」で探すしか手がないわけですから、
初めは友人知人を片っ端から当たります。 

が、そんなの居て2~3人程度。 
目標数までは まだまだ程遠い数です・・・

とにかく、より多くのモデルさんをゲットするため、
仕事上がりで(夜8時から)外に出て、
歩いている人に声を掛けての交渉です。

ただ・・・
やらなければいけない髪型が決められているので、
誰でも良いわけではありません。

ベースのスタイルが、セームレイヤー(田村正和みたいな感じ)
の人でないと上手く巻けないので(ボブとかロングはNG)、
そういう方を探します。

尚且つ髪質が普通毛より若干硬めで、
元々多少クセがあって、つむじが変な場所にない人・・・等々、

先輩方からのアドバイスを訊いた上でハントします。
(こういう「裏ワザ」的なことを教えて貰えるのも
ありがたかったです。感謝!)

そう簡単に見つかるわけがありませんけどね・・・

(当時は聖子ちゃんカットの流行も終焉を迎え、
ボブの人が多かった)


とにかく終電間際まで歩き続ける、立ち続ける!
そして、「これぞ!」という方を見つけたら声を掛け続ける。

それしかないのです。
誠心誠意でお願いすることしかできません。 
とにかく頭を下げ続けます。

凡人には当たり前の事しかできません。

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・・・そうしているうちに一人・二人と
モデルになっても良いヨ!という方が集まり始めました。

そして、来てくれた方から 順に練習させてもらっているうちに、
その友達やクラスメイト、会社の人・・・と、
人の輪が広がり始めました。

先輩からも、
「オールパーパス?あれモデル探すの大変だよね、俺も苦労したわ」

などと、先輩の知り合いの方を
紹介してもらえたりもしました。

知らぬ間に、
モデルさんの数が「50人」ほどになっていたときはびっくり(笑)

その方々の髪を毎日巻き続け、
全員終わる前に既に「合格」してしまいましたが、

それでもみなさんの善意を無下にすることなんてできないので、
最後の方までやり続けました。

(中には、今回のパーマを巻くには長すぎる人や
難しい髪質の方がいたり、失敗もたくさんしましたが、
それもまた違った意味で 良い勉強になりました。)

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今思えば、街に出てのモデルハント!
それも修行のひとつでした。

いくら無料でも、「練習させてください!」ってことは、
まだまだ下手っぴってことですもんね、
それを承知で頭を貸してくださった方々には

本当に「感謝」です。


「天才」でも「イケメン」でもなかった私(笑)、
ここでは「交渉術」というものをしっかり学ばせていただきました。

あと、やっぱり「人脈」って大事ですよね。
常日頃から先輩方に「好かれること」がいかに大事か?
ってことも身にしみて感じました。

実は、この試験も 「1番」 抜けでした。

「凡人は3倍やって人並み」
と言った先輩がいましたが、たしかに本当でした・・・

そうしないと「天才には太刀打ちできない」
ということも この時に実感しました。


考えるだけなら誰にでも出来ると思います。

でも、失敗は自分にしかできない
「チャンス」なのだと私は思います。

今の時代は「失敗」を恐れるがために
「考える事」だけで終わりにしてしまい、

行動をしない人が多すぎです。

それでは進歩がありませんよね?
まずはやってみないと「失敗」も、「成功」さえも生まれません。

そんな私とて、いくら試験に合格しようが、
その後20年くらいはずっと失敗の連続でした。

いまだに失敗はあります。 

ただ その「失敗」は、
プロでも見抜けないほどの「ミリ単位」の事で、
そのミリ単位を追い求めるから

この仕事は面白いのだと思います。

まずは目の前にあるものと戦う
それが自分にできる唯一のことなのです。


好きで入った道では決してありませんでしたが、

今、目の前にある「作り上げるべきお題」と戦う姿勢ができたのは、
その頃かもしれません。 

「デザイン」は私にとっての戦いなのです。

それによって「自分というもの」が評価されるのですから、
一時も気を抜けません。

30年経った今でも、それは変わっていません。

                                  つづく

                                July.26.2014 店主

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