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No.17 体力勝負の日々

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こんにちは。店主です。No.16からのつづきです。

私個人のつまらない昔話なので、そういうのいいや・・・って方は
スルーしてくださいね。

( 最初から読みたくなった方は もくじ からどうぞ。)



IMGP0525.jpg
                    
美容室に入ったら、
普通は美容の仕事に専念できると思いますよね?
ところがそうでもありませんでした。


毎朝店に行くと まずは「掃除」から始まります。

各自、持場みたいなのが なんとなく決まっていて、
目上の方々は「膝をつく」ことは絶対にしませんから、

もちろん
トイレ掃除や床拭きなどは下の人間の仕事です。
とにかく 這いつくばって、拭いて拭いて拭きまくりました。


ある先輩から 「新人は雑巾と同じ」

とまで言われましたので、
まあそういう扱いってことなのでしょう(笑)

それが終わると「朝礼」です。
その日ご来店予定の「VIP」のお客様や
今日の流れの中での注意点など事細かく指示されます。

一日のおおよその流れを、アシスタントはその時
初めて聞かされます。

この辺までは普通の職場とあまり変わりませんね。

そして営業に入るのですが、
新人の仕事はここからが「地獄」です。


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場所は 東京・青山。 スタッフの総数 二十数人。

新人は、

今日一日の先輩方の食事や飲み物の調達、
店の備品の調達等、
(まあ、買い出しですね。)に出掛けます。

まずは先輩方に御用聞きです。

「俺はコーラとアンデルセンのあんドーナツね」
「紀伊国屋でフランスパン買ってきて~」
「あたしはヴィ・ド・フランスのサンドイッチ」
「シュウェップスとナイススティックお願い」
「富士の水!」
「アップルタイザー!」

・・・とまあ、店も好みも色々、バラバラです。

たまに 「あ、ついでに電気代払ってきて~」とか
「マヨネーズ買ってきて」とか、

今日の昼飯とは関係ないだろ!って
突っ込みたくなるような要件もあったりしますが、
断れる立場でもないので、承ります(笑)

さて、制限時間は1時間です。

1時間以内で二十数人の指定の物を全部買いまわるのです。

当時、コンビニの存在はありましたが、
まだ近所には皆無でしたので、
用を足すには10軒ほどの店を回らなくてはなりません。

買いまわっているうちに荷物はどんどん増え、
最後には間違いなく30~40kgの重さになります。

(昔は飲み物だってペットボトルなんて便利な物がなく
ビン入りですよ。もしくはスチール缶。 とにかく何でも重かった・・・)

その荷物を一人で持ち、青山界隈を制服で走り回ります。

夏なんてホント死にますよ。
(元運動部でも、これはキツい)


サロンの仕事に入る前に

 すでにヘトヘトです (笑)


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この買い出し、性別・体格・年齢は関係ありません。

180cmの男でも、
150cmの女性でも 条件は一緒です。

そう・・・美容業界は「男女平等」差別・区別はしません。
何があろうと平等なのです。

じゃあ「女の子」は大変なのね。。。

なーんて思ってはいけませんよ。(笑)

私が入社した当時、男性美容師はまだ珍しい時代
私の店は比較的 男が多い方でしたが、
それでも7~8割は女性でした。

女の職場であることが当たり前な時代だったので、
すべての仕事は女性がやることを前提としていました。

まあ、新人の仕事がキツいのは承知の上ですが、
みなさまもご存知のように
女性の世界は独特です。 「陰湿」です(笑)

ある女性の先輩は買い出しのとき
「パン買ってきて!私が食べたいヤツ」などと
言い放って仕事に入ってしまうので、聞き返すことさえできません。

何か見つくろって買ってきても、
「これじゃなーい、こんなのに金払えないよー」のひと言。 
でも食べてるし・・・・


ヤンキーかよ! 

・・・って、ほぼ半数の方はその道の方です(笑)

だから怖いのです。

ある人は買い出しの時、
「10分で帰って来い、遅れたら10分ごとにパンチな!」
と言われ、急いで買い物から帰ると

その先輩が待っていて、
「お前遅っせ~よ!、遅れた分パンチな!」と
10発ほどボディブロー。

それも冗談ではなく「マジ」で。

後から聞くとその先輩、その日は特別機嫌が悪かったようで、
誰でもいいから殴りたかったそうです・・・
その後、そいつは30分ほどトイレから出てきませんでした・・・


これ、女性の先輩 の話ですからね(笑)


その時の「気分」で態度が変わる。
豹変すると男より恐ろしい・・・
ちょっとした失敗を、ネチネチといつまでもいつまでも責めてくる。
でもたまに「女」を武器に猫なで声ですり寄ってくる。

う~~~ん、
私の好みが、女性でも、「男らしい人」になったのは
この頃かもしれません。

いや、「女性神話」と言うものが崩れてしまっただけかもしれない(笑)


同期が女性の先輩に「平手打ち」されているのを
実際に見たこともありますし、
膝蹴りされて肋骨にヒビが入ったヤツもいました。

そうかと思えば、先輩でも少し弱そうなのがいると、
裏に連れて行って後輩が袋叩き!
なんて話もありました・・・

とにかく、縦社会にして下剋上であり、戦国時代真っ只中!
女性と言えども例外なしです。

ここって美容室だよね?(笑)


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今はいいですよね、
パワハラ・セクハラ・○○ハラスメント、
と言えば解決してしまいますから・・・ 


私の頃は 殴る・蹴る なんて 日常茶飯事でしたよ。

ま、「美容師の仕事はそんなに甘くないよ」っていう
洗礼だったのかもしれません。

後になって思いますが、
どんなことにも耐えられる強い精神力と体力がなければ、
実際に美容師などやっていけませんでしたからね・・・


ただ、この常識はあくまでも「美容界の常識」であって、
「世の中の常識」ではないので、
その辺も厄介でした。

これを回避する方法を身に着けるのも
この世界で生き残るには重要でした。

幸い私は、
さほどひどい危害を加えられることはありませんでした。
それにはやはり「人脈」のようなものが関わっていたみたいです。

そう、私を気に入ってくれていた先輩たちが
凄く力になってくれていました。

何故か私は「要注意人物」的な先輩と
仲良くなることが多いのです。

たとえばある先輩(男性)。
「広島」出身で口が悪く 気性が荒い、目つきが鋭いというか悪い、
小柄で動きが素早い、
ちょっと変わり者だけど、めちゃくちゃ話が面白い、等々・・・

ま~、お世辞にも「素行」がいい人ではなかったですが、
上からも下からも男からも女からも
「一目置かれる」その人が、

何かあると裏でかばって(おどして?)くれてたみたいです。
人ってありがたいですね・・・

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とにかくあの頃は、店のルールに慣れることが精一杯で、

傍からみたら普通じゃない世界でも、
できることをするしかなかったし、

今日を生きる事で精一杯でした。

給料が安くて飯が食えない、
仕事量は半端ない、
夜は遅い、
先輩の存在は絶対・・・ 

今現代における様々な問題を全て実体験してしまいましたが、
(今思えばブラック企業以下ですよね。)

私はそれで良かったと思っています。

なぜなら その後にちゃんと「変化」があったのです・・・

ある程度の試練に耐えると、
みんな凄く優しく気遣ってくれて必ず声をかけてくれます。

体調が良くない時などは
先輩が仕事を代わってくれたりもします。

凹んでいると飲みに誘ってくれ、
(仕事に関係ない)バカ話でなごませてくれます。

そんな後は、
決まって「吹っ切れて」、また仕事をやる気が出ます。 

先輩方もみんな同じ体験をしているから、
後輩の辛さがわかるのですね。

(まあ、そんなフォローをしてくれるのは
すべて「男」の先輩でしたが(爆笑))


あり得ないほど過酷な世界でした。

ただ、全ての人に「愛」があった気がします。
今の時代と決定的に違うのはそこかもしれません。

頑張ったら頑張っただけ、認めてもらえました。
見ていてくれる人がちゃんといました。

そして「裏」もなかったと思います。
皆がストレートにぶつかるがため、「摩擦」もしょっちゅうありましたが、
それは最後に 笑い合える結果になりました。

今の世界より、
並はずれた「怖い人」や「面白い人」、「奇想天外な人」も沢山いて、
いい社会勉強にもなりました。


だから年を重ねた人は
「昭和」が良く感じるのかもしれませんね。

いまさら「根性論」かよ、って、笑うなら笑ってください。

                               つづく

                           July.22.2014 店主

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