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No.23 美容師の修行って・・・

Posted by Cafe Bleu on   0 

こんにちは。店主です。
このコーナーでは、私が美容師になるまでの紆余曲折などを綴っています。

ためになるかどうかは ちょっと謎ですが、興味のある方はお暇な時にでも
読んでみてくださいね。(そういうのいいや・・・って方は遠慮なくスルーして
ください。) 

最初から読みたくなった方は もくじ からどうぞ。



DSC00846a.jpg

No.22からのつづきです。

入社半年も過ぎると、
先輩方や同期の中でも「あだ名」的なものが飛び交ったり、
仲が良いグループができましたが、

同時に「苦手な人」も出てきました。
それでも日々が 新鮮なのには変わりなく、
毎日が少しずつ楽しくなり始めていました。


ところで、
私の働いていたサロンは4店舗あり年2回、
春と秋に配置転換があります。

全てがシャフルするわけではないのですが、
下っ端は大概が違う店舗に異動させられます。

さて、異動先の店舗まではどのくらいかかるんだろう…

異動が決まった瞬間、
初出勤の日を想定して、「路線図」を見て電車のルートやら
所要時間やらを綿密に計算しなければなりません。

(スマホのアプリどころか携帯電話もパソコンもなかった時代ですから。)

すべては「遅刻」をしないため…

遅刻 …普通はそれほど重く受け止めることではありませんが、

私の店では「重罪」でした。 
遅刻一回で5千円の減給なのです。

大したことないように思いますよね・・・
手取りの給料を知らなかったらそう思うかもしれませんが、
私の給料っていくらだったと思います?

東京一人暮らし、
食事は外食もしくは自炊、
風呂が無いために銭湯に行く生活、
交通費、光熱費 ・・・

ちなみに「仕送り」は全くありません。

給料明細上は¥80,000

もろもろひかれて・・・¥72,000 が、当時の給料でした。 


1980年代の話なので、
今とは多少物価も違いますが、これで生活できると思います???
(それしかないから、それでやらなきゃいけないのですけどね)

そこから 「遅刻一回で5千円の減給」 ・・・

給料が減る!それはそれは恐ろしいことです。
死活問題です。
絶対に遅刻だけはできない!!!


ところで、
「なんでそんな有名店なのに それしか給料しか貰えないの?」
って、普通は思いますよね。 

ですよね・・・

元々インターン美容師の給料なんて たかだか知れていますが、
正直もうちょっと貰える店もあったと思います。


私が初めて働いたサロンが競争率が凄かったということは、
以前書いたのでご存知と思います。

・・・ということは、募集数の「数十倍」も
働きたいと思う者がいた(いる)ということなのです。


この店で働けるなら給料なんていりません!

そんな人がいたのも確か。

(いまさらですが、私が働く店は、定期的にオリジナルスタイルを発表するような
新しい形式のサロンでした。 カットやパーマにも独自の思想があり、わざと
つながらないカットとか、間引いてパーマをかけるとか、おばちゃん的なパーマが
主流だった時代にして、革新的な発想をするサロンでした。)



給料や待遇うんぬんよりも、勉強させてもらいたい
普通のサロンでは得られない、何かを得たい

貪欲で上昇志向が強い若者たちが
しのぎを削る時代だったのかもしれません。

・・・有名店になればなるほど給料が安い、
というこの逆転現象。

今でもそのなごりは残っていると思います。 

古い考えかもしれませんが、
職人の修行って「下働き」「見習い」ですからね(笑)

何も出来ない人間に払う金などない!
  ・・・言われてみれば当たり前の話です。

「お前が出来ないなら、代わりはいくらでも居るんだよ。」

働く者の基本中の基本、
「時間」を守れない者に「厳罰」は当然。
・・・減給は、会社としての当たり前な考えだったのでしょう。

せっかく手に入れた「この座」、
      他のヤツに譲ってたまるか!


ええ、ここまで来たら頑張るしかないのですよ。

・・・本当はもっと欲しかったですけどね(笑)


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さて、私の勤め先は
有名ブティックやアパレルが立ち並ぶ青山界隈でした。

歩いている人もサロンに来店される方もおしゃれな方ばかり。
働く者も それなりの格好をしていなくては、
店の「品位」にかかわります。

幸い私のサロンには「制服」というものがあったので
営業中は何の問題もなかったのですが、

ダサい服装で通勤しようもんなら、先輩たちから
何を言われるか分かりません。

「無理してでも良いものを着なきゃ…」

あの給料で、オシャレもしつつ

どうやってメシを食えばいいのか?

教えてほしいぐらいですよ。

今日のメシをどうやって食べるか? 
本当の意味での 死活問題 です。

どんなに惨めでも、
どんなに汚い手を使っても「メシを食う」。


プライド人としての尊厳 など、

そこにはありませんでした(笑)
(まあ、これについてはまた後で書きますね)


まずは先輩に好かれること!

それが最優先な行動でした。
「先輩に嫌われたらご飯に誘ってはもらえません」

とにかく、日夜 先輩に気に入られる行動を考え
先輩について歩く。
「先輩」と名の付く人なら好きでも苦手でも、誰でもいいのですよ!


あとは、彼女を作る(笑)

同期には強者がいて、同時に6人の彼女を作り、
毎日自分の家に帰るのではなく「違う家に帰る」のです。

そうすれば、毎日違うご飯が食べられ、
毎日違う彼女を相手にして「話術」を磨けるのです。

それが今後の「接客」にも大きな影響を与えることになるなんて、
普通の人は考えませんよね・・・

表面的な部分だけを見て「美容師は手が早い」とか、
「女にだらしない」とか、「女癖が悪い」等々
言われることは 多少は間違いではありませんが、

当たっているとも言えないのです。

「口八丁手八丁」も美容師の大事な技量のひとつ(笑)

だって、それができる人って ごく一握り。
やりたくても出来ないのが現実ですから… 

コイツの凄いところは、「修羅場」が無かったという事。
6人の彼女すべてからクレームが無い。すごくスマート。
ただし「本命」はその中にいるのですけどね(笑)

6人も彼女が居るということは、
見方を変えると2か月に一度は誕生日が来るわけで、

そいつはその度に彼女への「プレゼント」を買うわけです。
そりゃ~それなりに金が掛かります。

本命には「カルティエの3連リング」をプレゼントしていましたが、
それ以外の子にも、「シャネル」のブローチやら
「コム・デ・ギャルソン」のブラウスやら・・・

金額も金額ですが、
どの子にもそれぞれの特徴をつかんだ似合う物を
ちゃんと選んで渡していました。 

そしてその後、徐々に「自然消滅」の流れに持っていくのです。

褒められるような行為では決してありませんが、
そのかかわったすべての人が一時でも幸せになることが出来れば
良いのではないでしょうか?

実は、大勢の彼女たちも薄々知っていたみたいなのです。
(みんなモデルさんとして来てましたから、
私もそれぞれと顔見知りでもありました)

それでも騙されてるふりをしてるって… 

そんな芸当が出来るヤツって
なかなかいませんよ。それだけでも尊敬します。


ちなみに、その後それを真似した他のヤツが
「エラい目」に遭ってました。

誰にでも出来ることじゃないっちゅーに。バカですねー(爆笑)


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とにかく、金が無いなら頭を使え!

私たちは、将来「デカくなる!」という夢に向かい、
それぞれがそれぞれのやり方で、

ギリギリの生活をしながらも
腕を磨くことしか考えていませんでした。

そんな極貧生活の中で、

昼間はサロンの下働き、
夜は練習、
休日はモデル探し&自主練の日々でした。 

正直、どこにも余裕などありません。


どうしてあの頃あんなに頑張れたのか?


いまだによく分かりませんが、
もしかしたら、極限状態だったからこそ
頑張れたのかもしれませんね。

「やってらんねぇよ、ぶざけんじゃねぇ!」 
と、あっさり辞めたヤツもいました。

でも私は、「よし、これで敵が減ったありがとう。」
と、思うことにして、

出口の見えない長~い長~いトンネルを、

時にはぶっ飛ばし、
時には壁に当たり、
時には迷ったりもしながら、

「出口がある」ことだけを信じて、進みました。


「美容師は飯を食って生きてるんじゃない、夢を食って生きてるんだ!」

と、大真面目な顔で言っていた先輩がいました。

ほんとに夢で腹がいっぱいになるなら、
そんな苦労は要りませんでしたが、

今思えば、もしかしたら、多少は「足し」に
なっていたのかもしれませんね。

そうじゃなきゃ、なぜ耐えられたのか説明がつきませんよ(笑)


残念ながら、その人は今、美容師やっていませんけど…
まあ、世の中なんてそんなもんです(笑)


                                つづく

                               番外編へは→こちら

                              August.07.2014 店主


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