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噛み切った!

Posted by Cafe Bleu on   0 

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こんにちは。店主です。

正確には「髪切った!」なのですが、変換したらこうなったので、
そのままにしてみました。
・・・日本語って面白いですねぇ(笑)

さて今回は、髪を切ったら噛み切ったお話。

これはずいぶん前(一年以上前かな)、
私が髪を切りに行った時のお話です。


ところで、お客様からよく
「自分の髪って自分で切るんですか~?」と聞かれるのですが、
昔書いた記事「自分で切れないのね。」で触れたように、
自分では切りません。

最近は、自分で見えるところ(前と横ぐらい)は
ちょこっと切ったりしますが、
あくまでも「修正」程度で、

スタイルをつくることはしません(できません)。

毎日誰かの髪を切っている私ですが、
自分事となると 皆さんと同じ。

そう・・・私も誰かに切ってもらっているのです。

もともと自分の髪型にこだわりのあるタイプではありませんが、
仕事柄、悲しいかな 良い仕事とダメな仕事の区別が
ついてしまいます。

どうせなら、
ちゃんとした仕事をする人に切ってもらいたいのです。

そんなわけで、
いつもは信頼できる美容師仲間に切ってもらっていたのですが…

 

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・・・ずいぶん前に切ってもらったきりなので、
伸び放題です。

結べそうで結べない!

仕事にも邪魔だしトレーニングにも邪魔!(笑)

実は一ヶ月後、(陸上の)大会出場がてら、
いつも切ってもらっているところ(茨城)に
行く予定があったのですが、

もう我慢できません。限界です。


あ~~~切りてぇ~~~!!!



「どっか良さそうなとこない? 
ちゃちゃっと切ってくれて上手そうなとこ。」

私は、検索好きなフロント係に指令を出しました。

「あと、まともなシャンプー使ってるとこね。」

変なので洗われると頭皮がかゆくなるという、
やっかいな体質なのだ。

・・・・・ ・待つこと数分。

「ここどうよ? 
ここなら空き時間で行って帰ってこれそうよ。
クチコミも悪くないし、薬剤もまあまあこだわってそうだから 
シャンプーも大丈夫じゃない?」

「 しかも、店長イケメンだし、外見もオッシャレ~だよ。」

おい、それ自分が行きたいだけじゃないか?(笑) 

ま、いいや。フロント係がすすめる店に
早速予約の電話を入れると、
すぐにやってくれるとのこと… 

やった、これでサッパリする~。 
期待を胸に出掛ける私でした・・・

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車を走らせ その店に着くと、
入口付近には外車&高級車が・・・

奥の方に入れようか・・・と思っていると、
スタッフが出てきました。
そして驚くことに、そのスタッフが車を駐車場に
入れてくれると言うのです。

あれっ、場所間違ったか?俺?(笑)
ちょっとしたホテル並みですね・・・こりゃ参った。


気を取り直して店内に入ると、
若くてキレイな受付嬢(いや、コンシェルジュって言うのか?今は)
が案内してくれ、なぜか「おしぼり」を出され、
しばしの間待合のソファーで待つ。

その間、店内を観察・・・・

コンシェルジュ嬢はイマドキ風のスタイリッシュなキレイ系。
髪は完璧にブローされた 絵に書いたようなボブスタイル。

・・・これはスタッフによるものだろうか?
きっとそうだな、「店の顔」だもんな。
うわ~、ちゃんとしてるなぁ。。。

(あれ、うちのコンシェルジュ、
今日はGパンにスニーカーだったような・・・
しかも、洗いっぱなしのぐずぐずヘア(笑))

内装は、流行りの北欧風って言うのかな? 
あーどこを見ても洗練されてる。
なんだかやたらとおしゃれだ。

なんかわかんないけど、いい~~~ ・・・(笑)


店の雰囲気に呑まれ、「ぽ~っ」としてたら、
新しいお客さんが入ってきた。

セレブリティ感満載の奥さまだ!
お、お金持ちそう・・・外車とか乗ってそう・・・

そして、

店内にいるお客様達を観察してみると、
なにやらコンサバティブでキレ~な奥様っぽい方ばかり
が並んでらっしゃる!

ああ、こういうジャンルの方はこういうお店に集うのかー

 ・・・納得。

あれ?この店内のラグジュアリーで「非現実的」な雰囲気は、
私が美容を始めた頃の
あの青山のお店みたいじゃないですか。

この辺にもこんなお店が出来たんだ・・・

なにやら、長年 山にこもっていた人間が
下界に降りてきた時のような感覚です(笑)

・・・さっき、うちの受付係のいでたちのことを笑いましたが、
自分はどうよ?
Gパンにトレーナーにロガーブーツ

…マジで本物の山男(笑)

あきらかに場違いだ。

こう見えて意外とヴィンテージ物にこだわってるんだけど、ここでは通用しなそう・・・


-------------------------------------------

そして待つこと十数分、

いよいよ私もセット面に案内されました。
私を担当してくれるのは、どうやらこの店の店長らしきソフトなイケメン。

「はじめまして~、今日はどうなさいますか?」

むむ、話し方もソフトだ。

「あ、デビュー当時のミスチルの桜井みたいな感じっていうんですか?
 いまどきありえないくらいのツーブロックにして下さい」

・・・当時はそんなに激しいツーブロックは流行ってませんでした。

「・・・あ、わかりました。ツーブロックですね」

ん?ちょっと固まったけど、やってくれるらしい。
変な注文してごめん。

「滅多に切りに来れないので、思いっきりやっちゃってください!」


とりあえずシャンプーブースに案内された私。
担当は若い女の子。

「おお、若いおねーちゃんのシャンプー久々だなぁ。」
(昔、働いていた店で教育係をしてた頃をしばし思い出す)

ん? これで洗ってんのか?
ソフト過ぎて物足りないぞ・・・・

ま、いっか。
女の子ならではの、こちょこちょ洗い。
これも久々だし(笑)

(いいのよいいのよ、これから頑張って勉強してちょ。)

・・・さて、シャンプー剤はどうだろう? 

おや?

おねーちゃんの香水とシャンプーの匂いが
混ざっちゃって良くわからんぞ。
う~ん、泡の感触からするとダメっぽい気がするが・・・・


そして再びセット面へ。 さあ、カットの始まりです。

自分の髪を切られながら観察していると、
どうやらこの担当者(店長)、私とは真逆の

「考えながらニュアンスで切るタイプ」らしい。

このタイプは、ちょっと切っては考えて・・・をするので、
けっこう時間が掛かるのだ。

決してダメじゃないのですが、
自分はオーダーを聞いた時点で「設計図」が
思い浮かんでしまうタイプなので、ちょっと歯がゆいのですよ。

もしかしたら、店の雰囲気に合わせて、
あえてそういう手法を使って、
ゆったりとした時間を演出しているのかもしれませんね。

ま、仕上がりが良ければそんなこと どうでも良いのですけどね。

(特になにか突っ込みたくて来ているわけではないのですが、
どうしても相手の切り方やタイプが気になるのが
同業者ってものなんですよ・・・)


そんなこんなで、まだまだ時間が掛かりそうな予感なので、
私は彼に会話を振ってみました。

「美容師さんって薬剤の勉強が大変なんですってね。
美容師の友人がいつもこぼしてますよ」

と。 もちろん、自分も美容師であるとは言わずに。
(どうせそんな風には見えない 山男だけど。)

すると彼、ソフトに尚且つシンプルに、
薬剤の現状やら、いかに勉強しているやら
を 説明してくれました。

素人の私にでも分かりやすいよう明確に。

ああ、時代はこういうソフトな人間を求めているんだなぁ。。。
自分みたいなスタイルはもう流行らないかも。。。 

思えば10年前、
自分が店をオープンさせた頃からしたら、
美容室の「質」が格段に上がったということなのでしょう。

今は勉強材料や資料も増え、それを教えてくれる人も沢山います。
10年前の資料も何もない頃の状況下とは
比べ物にならないほどです。

その結果、全体のレベルが底上げされ 一律になり、
無謀なこともしなくなり、
それなりに良いお店が増えたってことなんでしょう。
それを実感しました。

その瞬間・・・

落ち込みました。

自分が必死に守り続けてきた壁が、
まるでベルリンの壁の様に一気に崩落したみたいです。 

(BGMは「Walls Come Tumbling Down」 ・・・あ、違うか )

こ~んなにもスタイリッシュな店舗で、
若くておしゃれな従業員にホテル並みの対応をされ、
何事にもソフトに応えてもらえるんだから、

普通の人ならこっちを選ぶでしょ~。

私の店、もう古いのかもな・・・・
確かに建物は古いが(笑)


・・・・あ、感傷に浸っている場合ではない、まだカット中だった(笑)

薬剤の勉強に力を入れて講習会などにマメに参加
しているという この店長さん、
そこまで頑張っているのならと、

なにげなく薬剤研究の第一人者(この世界では
有名な)の知り合いの名前をチラっと出してみて、
話を広げてみようと思ったら・・・

どうやらそこまでは知らないらしい・・・・・。

う~ん、そこまでは まだ辿り着いていないのか・・・おかしいな、
俺なんかすぐに当たって滅茶苦茶 勉強させてもらったんだけどな・・・

とか考えてる間に、
始まってからきっかり一時間。いよいよカット終了です。 

今回は・・・ホントに色んな意味で勉強させていただきました。
(ご本人には伝わらないと思うが) ありがとうございました!


-----------------------------------------------------

・・・さて、完全に店の雰囲気に呑まれたまま、
会計を済ませて帰ろうと思った瞬間です。

今まで見えていなかった、
店内の端の方の席が目に入ってきました。

あれっ?キレイな奥様ばかりかと思いきや、
ちょっと太目な方や年配の方なども(ごめんなさいね)
いらっしゃった。

なにかがモヤモヤする・・・

ま、いいや。
思ったより時間が掛かっちゃったから 早く帰らねば・・・

駐車場で自分の車を探す私・・・

見回してみると、来た時にビビった外車&高級車の陰に、
国産車&軽自動車・・・

ん?むしろそっちのほうが多い。
(もちろん私のワゴンも奥の方に)

モヤモヤを通り越して、ぽか~ん。



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でもね、サッパリ切ってもらったから、これでしばらくは快適です。


そんなこんなで店に戻ったら、

「ずいぶん時間掛かったね~、
次のお客さんに間に合わないかと思って焦ったよ。」

と、フロント係はオカンムリ。

そして、今回の心がざわつく体験を話したら・・・

「やだ~、それって喫茶店とかでよくやる
              お客さんの振り分け じゃん」と。


・・・・・・・・・・・・・・・・ へ?

あ・・・・・・・

見た目が良いと判断された客は目立つ席に案内され、
そうじゃない客は奥の人目に付きにくい席に案内される

という、あれか? 
もしや駐車場もそれ?

ええっ???マジでそれする?

あんなソフトなイケメンが、
あんな良い人そうなスタッフが、

そんなのことするの?

(店の端の方に居たお客様たちと、
隠れた場所の軽自動車を思い浮かべる・・・)

・・・してたか・・・・・

私としたことが、慣れないラグジュアリーな雰囲気に翻弄され、
本質が見えなくなっていたみたいです。

(いやいや、単なる偶然だ!
という気持ちもまだ捨てきれないが・・・)

「ところで あなたさー、他人に車運転させるの、
めっちゃ嫌いじゃん。
しかも着いて早々おしぼりって・・・
なんか違うとこ目指してるんじゃない?」

確かにそうです、

私、他人に自分の車を触られるのが大嫌いだったのです。
(運転代行とかもってのほか)
なぜに素直に従った・・・

おしぼりは・・・
正直どうやって使うのが正しいのかわからず、
顔拭いちゃったし。

でも、あのサービスは悪くなかったけど・・・(笑)

冷静になるにつれ、
「モヤモヤ」がだんだん晴れてきました。

いったいあの空間はなんだったのだろう・・・
良かったのか?ダメだったのか?


・・・でもその答えは、
少ししてから頭の「痒さ」とともに分かりました。

あの店、薬剤の重要性やシャンプー剤の重要性を
語っていたのに、店内で使用するシャンプーには
こだわりはなかったようです。

この痒さは尋常じゃなく・・・
これは、何かの成分が悪いとかいう 以前の問題です。

しかも、めっちゃ臭い!

だめや洗い直しや・・・お客さんが来る前に洗っとこ・・・




そしてさらに2週間後・・・・真偽のほどがハッキリしました。

せっかく切ってもらったのに申し訳ないのですが、もうダメです。
まとまらなくなりました。もう快適じゃありません。

やはり、いい気分にさせてもらえたのは、
「その日だけ」だったみたいです。

あのカット、ソフトな感じなのは良かったのですが、
肝心なところが切り足らなかったのですよ。
(実は最初から感じてましたが) 

こればっかりは、切る人の感性の問題なので
文句を言うつもりはありませんが、
店を出た後どうなるかを計算するかしないかで、

持ちがぜんぜん違うものなのです。


そういうカットしか出来ないのか?
あえてそうなるように切ったのか?

・・・もし後者だったら、かなり恐ろしい店です(笑)
でも、客の振り分けを本当にしてるとしたら、もしや・・・・・


「そういう男っているよね、当たり障りのないことしか
言わないから、一見ソフトでモテるんだけど、
実の所まったく中身がなくって つまんねー・・・的な?」

「もしくは 釣った魚にエサやらない・・・
とか 無意識で出来ちゃう人なのかも?」

フロント係が、見てもいない人物の分析を辛辣にしていましたが、
う~ん、当たらずといえども遠からず・・・かな?
(以外と怖い女だ)

おい、そもそもそこの店に行けって言ったの、
アナタだったではないのか?(笑)


その店を訪れた時、素直に「負けた・・・」と思い、
自分の店の方向性に少し疑問を感じてしまったのですが、
本当にそうだったのだろうか?

それぞれの「追及するもの」が違っていただけなのではないか?

非現実的でラグジュアリーな空間を提供して、
お客様の気分を盛り上げる・・・

というのも大切なことです。 

人間として、そういう扱いをしてもらうのは、
たしかに悪い気はしないものです。(実体験済み)

私はと言えば・・・そうです、

「現実」にきちんと目を向ける主義 でした。


美容界を渡り歩いた経験の元、
「非現実」に浸ってしまっては解決し得ない問題に
着目したのです。

自分が追及すべきは店内の空気感では無く、
確証が得られる「実感」なのです。

日常的に起こる「不便」を解消するための
「確実な方法」を追及するのが主旨でした。

・・・今回の出来事は、
自分の進むべき道を改めて確認させてくれました。

あの店は(細かい戦略に気づかなければ)空間的には
申し分のない店でした。

技術的にもそこそこ良い店
(いや、悪くはない店と言った方が正しいかな?)でした。
マジョリティ(多数派)な方なら、どこも悪くない。

いや、すこぶる良い店です。

ただ・・・・
何か「ディープな髪の悩み」を持つ方や、
ファッション少数派にとっては、

もしかしたら、ちょっと物足りない店、
居場所のない店となるかもしれません。

だって、そもそも そういう小さな需要に応えるような
コンセプトではないのですから… 

夢心地の空間を求めるのも良いですし、
とことん「気持ちいい」を追及するも良いと思います。 

「お客様が満足」だったら、それが一番の選択なのです。

10年の月日とは本当に様々なものを変化させてくれます、
そこそこ良い店が増えたのは喜ばしいことですが、

今回のことで、私は私なりの道を究めるため、
精進しようと思いました。 

だって、

世の中の誰もが同じ価値観を持っているわけではないし、
ましてや同じ人なんて居ないのですから・・・

色んな意味での少数派のため、 私はまだまだ頑張ります!

そして私、それ以来
カウンセリングが30%くらい「ソフト」になりました・・・(爆笑)
私だって、良い面は素直に取り入れるのですよ。

ひょんなことから、色々と考える機会を頂いた
サンロンさんにはつくづく感謝しますが 、
2回目に行った時 もし端っこに座らされたら・・・と思うと

色んな意味で怖いので、
真実は知らないでおこうと思います。
ごめんなさい。

(その後、当初の予定通り知人の店で切り直してもらいました。)


以上、髪切って「迷い」を噛み切ったお話でした(笑) 

                             November.03.2014 店主


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