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削いだスタイルに再現性はあるか?

Posted by Cafe Bleu on   1  0

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私が仕事をする上で最も重視していること、

それは 再現性のあるスタイルづくり です。    
  

サロン内での仕上がりはもちろんですが、

お客様がお家に帰られてからのほうが
「より重要」だと考えております。

日常を心地よく生活できるものであることが理想であり、
長い期間の再現性を楽しんで頂けてこそ、

本当の意味での「スタイル」なのだと思っています。   


美容室では自分の思い通りのスタイルになっていても、
いざ「次の朝」になったら思いどおりに決まらない!

なんてこと、ありがちですよね。  

そう、自宅での「再現性」がなければ、
いくら魅力的なフォルムを生み出したとしても、

その魅力は半減どころか、
限りなくゼロに近くなってしまうのではないでしょうか?

たったの一日(場合によっては半日)
ステキになるためだけの代金だとしたら、

その美容代は高すぎます。

美容室って、
「撮影前のモデル」さんのための物ではないはずです。


「再現性」を重要視していないサロンは無いのでは?と思うくらい、
今や、どの美容室も再現性を提唱していますが、

みなさま結果はいかがだったでしょうか?

再現性は本当でしたか?
毎朝、楽にスタイリング出来ていますか?




◆さて、本当の意味での再現性とはなんなのでしょう?

再現性 = 美容室でやってもらったヘアスタイルが、
        自分でも自宅で簡単に再現できるということです。 

再現性=扱いやすさとも言えます。
       ストレスを感じないスタイルこそ再現性のあるスタイルです。 
 

↑ は、ほとんどの方が「美容室に求めているもの」ですよね。

「洗いっぱなしで、何にもせずに形になるようにしてください~」
って言うお客様、結構多いです。

毎朝きちんとブローしたり
セットしないとカタチにならないスタイルには、
あまり需要はありません。
 
さあ、そんな再現性のある髪型ってどんなでしょう?
そんなラクチンなスタイルってあるんでしょうか?


・・・・実はあります!それは・・・

「坊主」か「おかっぱ」です。(笑)

ふざけるなって?

本当にそうなのですから、しかたが無いです。
再現性だけを追及するとそうなってしまいます。 




最近流行のほとんどのデザインは、
「レイヤー」と削ぎ(そぎ)が施されています。

ご存知だと思いますが、
後ろから見るとタコ足、イカ足のような髪型が代表的ですね。

いわゆる一般的に「ウルフレイヤ」ーとか言われているやつです。

特に日本では流行すると、
猫も杓子も同じスタイルをする傾向があるようです。

軽やかに見えるし、
誰がやってもそれなりに見えるスタイルですから、
万人ウケして流行るのは当然のことかもしれません。

最近は、再び「重い」スタイルが流行る兆しみたいですが、
「薄くしたい方」のほうがまだまだ多いのです。

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レイヤーは、
髪の毛が薄くなって動かせる分、
軽い感じや空気感、束感を演出できるのですが、

スタイリングの 失敗率が高い のも このスタイルの特徴。


「昨日はうまく流れたのにな~」とか、
「今日は右になびいて直らない!」など、

スタイリングする度に
毎回違ってしまうというリスクが付きまといます。

・・・そりゃそうです。

動きを出すために薄くしたのですから、
動きが出て当然なのです。 

この、動きを出すための「薄くする方法」が、
再現性があるかないかの重要なキーポイントです。

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今や、技術が未熟な美容師でも、

軽くしたい!薄くしたい! 願望の

お客様のために、削ぎます。梳きます。減らします。

「基本」がわかってなくても容赦はありません。


結果、それなりの「今風」なスタイルに仕上がりますが・・・・

同時にペラペラ・スカスカ・パサパサの、
まとまらない髪型が出来上がります。


こういったレイヤーや削ぎをメインにしたスタイルって、
カットの基本がわかっている人の

「緻密な計算」によって減らしてこそ、


「再現性」があるスタイルに仕上がるのです。 

基本のわかってない人が作る、
やたらめったら「削いだだけ」のスタイルとは

全くの別物、「似て非なるもの」なのです。

この削ぎの乱用による
「形の崩れ、髪の傷み、再現性の低下」は

かなり深刻な問題です。

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このように、

あまりにも削がれすぎたため、
フォルムが崩れすぎていて「ボリューム不足」で

スタイルチェンジが難しくなっている方には
当店でもよく遭遇します。

そんな風になってしまったら、
可哀想ですが私も「お手上げ」です。

あるべき場所に髪がなければスタイルにはなりませんから・・・・


つまりレイヤースタイルは、

作り手である美容師にとっても、
毎日スタイリングするお客さまにとっても、

本当は上級テクニックを必要としている、

リスクの高い髪型 なのです。




今思えば、90年代はじめ頃までは、
フロントからサイド部分くらいにしか「レイヤー」は施されてなく、

「削ぎ」もあまり多くはありませんでした。

「流行」とは酷なもので、
今見るとかなり野暮ったい印象ですが、
再現性の面ではこちらの方がだんぜん高かったと思います。

「そういえばそうだったかも?」

と思い当たる方も多いのではないでしょうか?
以前はタオルドライだけでもまとまったのに・・・

「今はサイドだけ広がっちゃって、トップがぺったんこ~!」

・・・なーんて
ワックスを大量に使ったりして苦労していませんか?

たくさん削いでもらって、
髪は「薄く」なっているはずなのに

おかしいな~?

なんて思っている方が多いのではないでしょうか?

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実は、再現性があるスタイルって

最低限の髪の厚み がないといけないものなのです。


毛先が重ければ「重い」ほど、
根元から生えてきた「クセ」を引っ張る力が強くなるし、

重い分、予想できないような動きは少ないですから。

毛先に厚みを残した「重め」のスタイルのほうが、
ペラペラ・スカスカのスタイルよりも、
簡単にまとまるものなのです。


最初に「おかっぱ」と言った意味がわかりましたか?

(ちなみに「坊主」は手入れナシでOKという意味で、
再現性の意味では満点なのです。)

ここ数年、
お客様からの注文は「もっと削いで!」「もっと薄くして!」
というのが本当~~に多いです。

さて、「再現性」という意味ではどうなのでしょうね?

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さっき少し触れましたが、安易に削ぎ続けるとどうなるか?

(削ぐとは、レザー(かみそり)や すきバサミで
不揃いに毛先を切って量を減らすこと。
主に表面に対して使うことが多いです)

髪の毛を ただ削いだだけだと、
削がれた「短い髪」は重なって重く残ってしまうものです。

逆に薄くなった毛先は、ショボショボで「不安定」になります。

薄くて不安定な長い髪の上に、
ぼこっと短い毛が重なってしまった状態です。

このやり方でも たしかに「薄く」はなりますが、
かえって横に広がってしまってまとまりませんし、
ニュアンスも表情も全く出ません。

極端ですが

「ヘルメット」をかぶった下から、
チョロチョロ薄い毛が出ているみたいになります。

そんなスタイルに満足できないお客様は、たいていは

「削ぎ足りないからだ!」と、考えてしまうようで、

「もっと削いで!」と注文されます。

そして、考えのない美容師がもっともっと削ぐと、
短い毛の重なり部分はもっと重くなり、
下の長い部分はもっと薄くなります。


・・・・こうなると修正は不可能です。


だって、行き着いたのは、

坊主頭の上に
 薄~い長い毛が付いている状態みたいなんですから。 

・・・ほら、最近の女子高生にありがちですよね。

それはそれで時代の流れということなのですかね。 
彼女たちはそれが良くてやってるみたいですし。



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上2丁が剥きバサミ、手前はレザー

◆剥きバサミ(セニング・シザー)
刃の部分がギザギサになってるのが特徴。
このギザギザの細かさがいろいろあり、
髪の毛を減らす量によって使い分けます。
(粗いほど一気に減らせます)

◆レザー(カミソリ)
一応持ってますが、かなり旧式のモノです。
ほとんど使わないのでしまってありました。
メーカーさんから貰った物など多数所有していたのですが、
使い道がないので 以前の店のスタッフにあげてしまいました。

実は私、レザーも使わせたら結構うまいもんなんですが、
まったく出番ナシです。
現在は別の意味でレザー(革)にハマってますけど(笑)




最近のサロンでは、レザーや剥きバサミ(セニング)を
多用する傾向にあります。

カットの時間を大幅に短縮できますし・・・

自信の無い
カットラインをぼかせたりしますから。

(レザーやセニングでないと表せないような質感もあるので、
そればかりの理由だけとは言い切りませんが・・・)


『すきバサミ』をカットラインをぼかす際に使って 毛先を剥いたり、
『レザー(かみそり)』で削いだり。

今風に「毛先にニュアン」スや、
「ぼかし」「動き」を出そうとするのはわかります。

しかし、

未熟な美容師は、
どうしても「ベースのカット」をおろそかにしがちです。

ベースがしっかりと切られていないのに、
「毛量調整」という建て前の上

安易に 削いだり・剥いたり します。

計算なしで減らされ過ぎたそのヘアスタイルが
とても扱いずらい物になってしまうのは

当然のことです。

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みなさんがよく求める「毛束感」も、

根元部分より、
毛先部分の量感が減っていかないと表現は難しいものです。

でも、毛先だけの量を削いだだけでは実現不可能です。

モチロン減らし過ぎたら「束」にもなりませんので、
そんなこと言ってる場合じゃなくなります。


実はカットテクニックだけでも、この「毛束感」、
十分表現できるんですよ。

ワックスなどを大量に使わないと表現できないモノは
本当の「毛束感」ではありません。

カットの基本がわかっていない人には
表すことが難しいのが、この「毛束感」と言えます。


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※「削ぐ」と、軽くなる・ボリュームが減る
 と、思っている方が多いようですが、 

 物理的に、削ぐと「薄く」はなりますが、
 決して軽くなったり、ボリュームダウンはしません。

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髪のクセや硬さや量、
生え方の毛流の向き、
頭部の骨格の形、
どの位置の髪を減らすか?

・・・などによって、
かえって膨らんでまとまらなくなる事が多かったりします。

やみくもに「もっともっと」と削いでもらうのは
大変危険なことです。再現性はどんどん低くなります。

また、削いで作ったスタイルは
「偶然」によるものが大きいです。

もし気に入っていたとしても、
「再び」同じようになるとはかぎりません。




ところで、
髪をたくさん削いだり剥いたりして薄くすると、
髪の乾燥を感じませんでしたか?

レザーを使ったカットも、
剥きバサミを使ったカットも、
髪を滑らせて切るスライドカットも、
(古いですがカリスマ美容師がよくやってたやつです)

髪の表面のキューティクルを
削ぎ落としてしまう「技法」です。

キューティクルが損傷すると髪が傷むのはご存知の事と思います。
(詳しくは→髪の構造) 

髪の切り口が斜めになったり、
ギザギザに引きちぎったようなるのもこの技法。

切り口の表面積が大きいのですから、
内部物質の流失と
水分の乾燥が起こり易くなるのは必至です。 


厚みが無くペラペラってことは、

空気に触れる面も大きい という事です。


誰も洗濯物を干す時、重ねて干さないでしょう?
薄ければ薄いほど乾燥しやすいってことです。

一時期流行った「エアリー・・・」っていうのも空気感ってことです。
内部に空気がたくさん入ったら「乾燥」しやすくなりますよね?

乾燥=髪内の保水率の低下は「ダメージ」として一番出やすいのです。


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・・・薄くなったスタイルですが、

ヘアカラーやパーマなどの薬剤がつくと
毛量の少ない所に強く効き過ぎてしまうので、

効果が予測しにくくなるばかりか、
ここでも「ダメージ」の原因になるのです。

削げば削ぐほど、
傷んだり、ダメージが進みやすい髪にしてしまうって事です。

「ダメージ」も まとまらない原因。
薄く削ぐ事って、こんなにリスクがあるのです。

「毎日の手入れがいらないように、もっと薄く削いでください!」

というのはかなり矛盾したオーダー
ということにお気づきですよね。

薄くしたい皆様、エスカレートには御注意を・・・・・


薄くしすぎて、すでに手の施しようがない皆様、
それ以上薄くしないよう、
「厚み」を回復するようなカットをしてもらってください。

◆ 削ぎすぎる美容師も悪いですが、
やたらと薄くしたがるお客様にも
責任がないとは言い切れないことも 

くれぐれもお忘れなく・・・・・





デザインを求めて行き過ぎると再現性が低くなり、

再現性だけを求めてしまうと、
坊主やおかっぱなどのように
デザインが極端になり過ぎてしまいます。

難しい事ですが、美容師はこの狭間で、
うまく「バランス」を取っていかなければいけないと思っています。


◆ 再現性があった上での、「流行のスタイル追求」なのです。




最近は剥きすぎたスタイルに飽きてきた一部の方々に、
重めのボブベースが見直されてきています。
(タレントさんでも増えてきました。)

私的には、良い流行が来たと喜びたいことです。

(毛流れや髪質に左右されにくいボブベースや
マッシュルームベースを基本に考えるのも良いのですよね。 
厚みを残したスタイルはまとまりやすいものです。)


美容師の世界では、
「ボブができると、すべてがカットできる」

と言われるほど、
ボブと言うものはカットの基本中の基本なのです!

・・・しかし、極めるのは難しい。


まさか、そこまでは来ないだろうとは思いますが、
もし、昔の桃井かおりや楠田枝里子みたいな
「ぱっつんボブ」が大流行したら、

修行し直さないといけない美容師が多いんだろうな~。
ごまかしは全く効かないですからね・・・・

そんな日が来ることが、実は楽しみだったりします。
 
 
                             January.07.2006 店主


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1 Comments

kuni says..."納得!納得♪"
はじめまして。
数日前にこちらのサイトに迷い込み、色々と興味深く読ませていただいてました。
削ぎのお話、大変面白く、そして経験と照らし合わせて「納得!」と思いながら読みました。

レザーを多用する美容師が増え、カリスマ美容師なんていうのが登場した頃(もうだいぶ前ですね)から、美容室に行っても納得いく状態にカットしていただけなくなり、「サロンジプシー」と化していた時期がありました。
削ぎすぎでペラペラにされたり、頭頂部に削がれた髪の塊が出来て横にふくらみ、頭頂部が平らになった(シルエットは角刈りのようでした・・・)なんてことまでありました。
普通のセミロングにしてくれればいいだけなのに・・・と悔しい気持ちでいっぱいでしたが、自分の髪が多いのが悪いのだから無理なんだ(美容師にそう言われましたので)と思い込んでたんです。

でも、それって結局、技術の伴わない美容師さんに、変な削ぎ方をされていたせいだったんですね・・・。
ホントにものすご~く納得しました。

子供の頃からカットしていただいていた、おばあちゃん美容師さん(だいぶ前に引退されましたが)は、はさみ1本でとても綺麗にしてくれてましたし、ボリュームコントロールもバッチリだったんですよ。
近所でも「とても上手な先生」として評判だったおばあちゃんは、やっぱり、ものすごい技術を持っていたんだなぁと。

苦節7年で、やっと今お願いしている美容師さんと巡り会い、今は安心してカットをお願いできるようになりましたが、私みたいな目にあって。ジプシーしてる人、もしかしたら多いのかもしれませんね(苦笑)
2007.06.28 23:51 | URL | #YD14tAto [edit]

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